賃貸オフィスビルの入居審査って?
こんにちは、高崎です。今回は入居審査についてです。
居住用賃貸マンションの入居審査は借主様の収入やお勤め先などの信用度で決まることが多く、最近では連帯保証人を立てなくても保証会社を利用したりと、かなり柔軟に借りることができるようになってきています。
では事務所を借りる場合の審査はというと・・・「?」の方も多いかと思います。
ここでは、分かりやすく、スタートアップや設立後2年以内の企業様にフォーカスして賃貸オフィスビルの入居審査について現場の経験を元に書いていきたいと思います。
ー 賃貸オフィスを探す前に ー
新規法人設立・設立2年以内の入居審査については、ある程度の事前準備を行いましょう。せっかく気に入ったオフィスに入居できない、さあこれからという時に転んでしまっては幸先が悪いというものです。
そうならないように可能性を広げる準備が必要です。
コンパクトなオフィスの場合、貸手は個人オーナー・一般法人のケースが多く、申込書に関しての決裁者は相手も代表者で、ファーストコンタクトが大事なのは言うまでもありません。決裁者に届くまでにいろいろな情報を付け足してくれる人はいないことがほとんどで、申込書の内容がダイレクトにオーナーに伝わるということを意識しましょう。
もちろんオーナーにお伝えするのは仲介営業の役目なので、仲介営業に自社の説明を詳しく行い、上手くプレゼンテーションできる情報・道具を持たせて下さい。今までの経験からしても、オーナーからお断りされる一番の理由は「分からないから」が多いです。分からないというのは一番の不安材料になります。
ー 審査に落ちないための心構え ー
『まずはオーナーの気持ちになる』
自身がオーナーだったらどうでしょうか。経済的には大丈夫なのか。どのような事業を行っているのだろうか。代表者の方はどんな人なのだろうか。従業員さんは何名で・・
知りたい情報がたくさんあるはずです。その知りたい情報を分かりやすく説明してあげればよいだけです。
まだ実績がない訳ですから、まずは過去の説明からです。代表者の【経歴書】です。
一番理解してもらい易いのが、前職で培った経験・人脈を活かして事業を行っており、同じ業種であるという事です。流れができていれば安心材料の一つになります。
他、金融機関に相談に行っていたりすれば【事業計画書】なるものが準備されているかもしれません。しっかりと作りこまれていても金融機関の審査ではありませんから、多くの場合それよりも、わかり易い【会社概要】を準備しておくことがよいと思います。
商品を取り扱っている業種であれば、商品の写真など視覚的にもわかりやすく情報を渡してあげてください。
前述でも説明しましたが、貸し手は個人オーナー・一般法人となる事が多く、管理自体も自身で行っていることも多く、となると、人間性(お互い様なのですが)も気になるところです。
そこで次に、
『交渉をやりすぎない』
スタートアップ時は資金面から考えてもなるべく安く借りたい・・・。お気持ちはわかりますが、許容範囲を超えた交渉はそれだけでお断りされるケースもあります。オーナーからすれば、その交渉の内容云々もそうですが、これから始まる長い付き合いの中で今後も何か無茶な交渉があるのではないかと不安になります。
賃貸借の場合、オーナーへのファーストコンタクトからお互いの関係がスタートします。仲介営業の意見も聞いて可能な限りの交渉に留め、お互い気持ちよくスタートがきれるようにしましょう。
そして最後に、
『入居審査におちないビルを選択する』
最近はそこまで数は多くありませんが、そもそも新設の会社はNG、ある特定の業種はNG,3年以内の法人はNG等、ビルによってはこのような考え方のオーナーもいます。これに関しては、経験値のある仲介営業は物件選定中、内覧前の時点である程度把握ができており、オーナーの意向を含めて物件を提案していきます。
ただし、少し難しい物件でもどうしてもこのビルに入居したいという思いがあるのであれば、全力でオーナーにプレゼンテーションしましょう。
上記を踏まえ申込書類の準備です。
ある情報サイトで「法人設立後10年存続率は6.3%」だと記載されていました。
今まで貸ビル業を主としてきたビルオーナーは賃貸人としての色々な経験をしてきており、人間、悪い記憶は後に引きずるものです。経験から警戒もしています。
究極を言えば、事業はどうか分からないが人間的に大丈夫だと感じれば一番の安心材料です。仲介営業もそれを感じた場合、間違いなく人間性をアピールし、顔合わせの場も作ろうとするはずです。
貸主借主の関係以前に人と人との関係です。お互い気持ちよくスタートがきれるよう心掛けていただければと思います。